開催中の展覧会情報
2025年 春季展
2025年3月7日〔金〕~9月15日〔月・祝〕
開館時間 9:30~17:00(入館は16:40まで)
休館日=月曜日(祝翌日休館)、年末年始
入館料=大人500円/大学生・高校生400円
小中学生300円/未就学児 無料
団体(15人以上)100円引
樂焼玉水美術館(堀川通寺之内上ル、入館料300円)
との共通券 700円
開館時間 9:30~17:00(入館は16:40まで)
休館日=月曜日(祝翌日休館)、年末年始
入館料=大人500円/大学生・高校生400円
小中学生300円/未就学児 無料
団体(15人以上)100円引
樂焼玉水美術館(堀川通寺之内上ル、入館料300円)
との共通券 700円
ごあいさつ
古田織部は、初代将軍徳川家康に尊敬され、子の二代将軍秀忠の茶の湯の師であったことから、江戸幕府の茶の湯、つまり柳営茶道の元祖に位置づけられます。珠光が唱え、武野紹鷗・千利休らによって芸術の域にまで昇華されたわび茶は、その「わび・さび」という概念が戦国を生きる武士たちの琴線に触れたのでしょうか、織田信長・豊臣秀吉という天下人も愛好したことで大いに盛行します。織部の茶の湯もこの線上にあると考えられます。
一方、武家に対して公家と呼ばれる人々がいました。古来、天皇に仕えてきた貴族ですが、彼らが担ってきた朝廷文化の美意識は「雅」という言葉で象徴されるといわれます。したがって、「武家」と「公家」、「わび・さび」と「雅」は対立する概念として語られることが多いようです。しかし「天下の宗匠」といわれた織部の門下には、関白・近衛信尋、武家伝奏・広橋兼勝など重要な地位を占めたそうそうたる公家の名が見えます。また、織部の茶を学んだ金森宗和(後に道安流を自称)なども、のちに公家社会に文化的影響を与えました。先祖代々「雅」を体現してきた公家たちは、織部らの茶の湯に、何を見出して学ぼうとしたのでしょうか。お互いにどのように影響を及ぼしあったのでしょうか。
本展では、古田織部と公家文化のかかわりを示す品々を展示し考察を深めます。お楽しみください。
一方、武家に対して公家と呼ばれる人々がいました。古来、天皇に仕えてきた貴族ですが、彼らが担ってきた朝廷文化の美意識は「雅」という言葉で象徴されるといわれます。したがって、「武家」と「公家」、「わび・さび」と「雅」は対立する概念として語られることが多いようです。しかし「天下の宗匠」といわれた織部の門下には、関白・近衛信尋、武家伝奏・広橋兼勝など重要な地位を占めたそうそうたる公家の名が見えます。また、織部の茶を学んだ金森宗和(後に道安流を自称)なども、のちに公家社会に文化的影響を与えました。先祖代々「雅」を体現してきた公家たちは、織部らの茶の湯に、何を見出して学ぼうとしたのでしょうか。お互いにどのように影響を及ぼしあったのでしょうか。
本展では、古田織部と公家文化のかかわりを示す品々を展示し考察を深めます。お楽しみください。
展示品目録
No | 作品名 | 作者 | 箱書 | 日付・宛先・銘・文句 | 制作年代 |
1 | 和歌 懐紙 | 三条西実枝 筆 | 「春日詠紅梅遅和歌」 | 桃山時代 | |
2 | 和歌短冊 | 細川藤孝 筆 | 上野寛永寺伝来 | 〃 | |
3 | 書状 | 古田織部(1543~1615)筆 | 慶長十九年(一六一四)五月廿二日付 | 江戸時代初期 | |
4 | 公家図 | 江戸時代前~中期 | |||
5 | 近衛信尹・古田織部両吟連歌百韻断簡 | 伝 烏丸光賢(1600~1638)筆 | 慶長十九年五月九日 | 江戸時代初期 | |
6 | 賦何路百韻連歌断簡 | 古田織部(発句)・灰屋紹由(脇) | 慶長十九年六月三日 | 〃 | |
7 | 古裂帖 | 明時代/ 桃山時代~江戸時代中期 | |||
8 | 織部紗 表具 | 江戸時代初期 | |||
9 | 織部緞子 仕覆 | 江戸時代中~後期 | |||
10 | 織部好 錫三日月 内青貝千鳥図 奥州細布張 黒大棗 | 藤岡宇兵衛 造 | 岸 紹易箱書 | 仁和寺什器 | 江戸時代後期 |
11 | 織部好 芽張柳蒔絵 黒大棗 | 卒啄斎宗左 箱書付 | 桃山時代 | ||
12 | 柳蒔絵 織部形 黒中次 | 江戸時代前期 | |||
13 | 織部好 一閑張 梅鉢香合 | 久須美疎安箱書 | 江戸時代中期 | ||
14 | 絵志野 橋・輪違図 茶碗 | (京都市埋蔵文化財研究所 蔵) | 桃山時代 | ||
15 | 絵志野 蒲公英図 向付 | 〃 | 〃 | ||
16 | 青織部 千鳥形 向付 | 〃 | 江戸時代初期 | ||
17 | 織部好 日月山景蒔絵 織部棚 写 | 島田文雄 造 | 昭和時代 | ||
18 | 宸翰 一行物 | 後陽成天皇(1571~1617)筆 | 「雪月花」 | 江戸時代初期 | |
19 | 和歌 色紙 | 徳川秀忠(1579~1632)筆 | 古筆了悦折紙 | 「西行法師」 | 〃 |
20 | 東福門院和子好 橙香合 | 3代中村宗哲 造 | 卒啄斎宗左在判 | 江戸時代中期 | |
21 | 東福門院和子好 黒中棗 | 春斎 造 | 江戸時代後期 | ||
22 | 東福門院和子好 菊置上釣香炉 | 6代駒澤利斎(1739~1803)造 | 江戸時代中期 | ||
23 | 東福門院和子好 伊勢芦屋霰 梅唐草地紋 羽釜 | 小堀宗明 箱書付 | 江戸時代前期 | ||
24 | 鞠形釜 | 大西浄久(?~1686)造 | 大西浄雪 極 | 岡崎淵冲 旧蔵 | 江戸時代前期 |
25 | 書状 | 近衛信尹(1565~1614)筆 | 広橋兼勝宛 十九日付 | 江戸時代初期 | |
26 | 道歌 三首 | 近衛信尹 筆 | 〃 | ||
27 | 勘返状 | 近衛信尹・玉室宗珀 両筆 | 古筆了音極札 | (慶長十九年)某月二十六日付 | 〃 |
28 | 和歌懐紙 | 広橋兼勝(1558~1623)筆 | 2代古筆了栄極札 | 「春日同詠初春祝和歌」 | 〃 |
29 | 和歌懐紙 | 鷲尾隆量 筆 | 〃 | 「詠新樹朝風和歌」 | 江戸時代前期 |
30 | 和歌懐紙 | 万里小路充房(1562~1626)筆 | 〃 | 「春日同詠幸逢泰平代和歌」 | 江戸時代初期 |
31 | 書状 | 近衛信尋(1599~1649)筆 | 近衛通隆極 | 三日付 青蓮院宮尊純法親王宛 | 江戸時代前期 |
32 | 和歌短冊 | 妙法院宮 常胤法親王(1548~1621)筆 | 「寄蘋恋」 | 江戸時代初期 | |
33 | 竹茶杓 | 三室戸能光(1769~1850)作 | 銘「雪の曙」「古織植え置きし竹を以て」 | 江戸時代後期 | |
34 | 『古今茶道全書』 | 紅染山鹿庵 著 | 版本元禄七年(一六九四)版行 | 江戸時代中期 | |
35 | 〔織部好 書院床飾り再現〕織部所持 高麗紫石硯写/ 堆朱 筆/ 大判墨/ 唐物 螺鈿 人物楼閣山水図 硯屏/ 唐物 古銅 水注形 水滴/ 唐物 古銅 鹿形 文鎮/ 甲陽軍鑑 根津家伝来/ 唐物 古銅 長耳兎形 文鎮 | ||||
36 | 『茶道雑敷飾付図』 | 古田宗関旧蔵 | 写本 | 江戸時代後期 | |
37 | 『寛永十七年 紀伊家御成御飾之覚』 | 江戸時代中~後期 | |||
38 | 『茶譜』 | 顕岑院旧蔵 | 写本 | 〃 | |
39 | 『遠宗拾遺』 | 江戸時代中期 | |||
40 | 鳴海織部 吊柿図 向付 | (京都市埋蔵文化財研究所 蔵) | 江戸時代初期 | ||
41 | 絵志野 四方向付 | 〃 | 桃山時代 | ||
42 | 黄瀬戸 桐紋向付 | 〃 | 〃 | ||
43 | 黒織部 茶碗 | 茂右衛門(「十」印)造 | 〃 | 〃 | |
44 | 自筆書状 | 金森宗和(1584~1656)筆 | 三月五日付 | 江戸時代前期 | |
45 | 色絵 蓬菖蒲文茶碗 | 野々村仁清 造 | 〃 | ||
46 | 和歌懐紙 | 小堀宗中(1786~1867)筆 | 江戸時代後期 | ||
47 | かぶき公家 供揃図 | 江戸時代初期 | |||
48 | 青織部 桐文 四方皿 | (京都市埋蔵文化財研究所 蔵) | 桃山時代 | ||
49 | 青織部 三つ盛角形 向付 | 〃 | 江戸時代初期 | ||
50 | 京焼 白地緑彩 内黒釉茶碗(陶片) | 〃 | 桃山~江戸時代前期 | ||
51 | 〃 | 〃 | 〃 | ||
52 | 京焼 白地緑彩 内黒釉尻張 半筒茶碗(陶片) | 〃 | 〃 |